市長所信表明 (平成20年9月議会)
皆さん、おはようございます。 本日ここに、9月市議会定例会が招集となりましたところ、議員の皆様には、ご参集の上、本日から16日間の日程をもちましてご精励をいただきますこと、誠にありがとうございます。
◆はじめに 初めに、私事で恐縮に存じますが、去る7月13日告示、20日投票で執行されました須賀川市長選挙におきまして、多くの市民の皆様のご支持を賜り、当選の栄誉に浴し、須賀川市政の舵取り役を担うこととなりました。 本日、市長として、この議場の演壇に立たせていただき、改めて責任の重さを痛感し、身の引き締まる思いであります。 私は、13年間にわたる県議会議員としての地方政治の経験を踏まえ、刻々と変化する時代潮流のもと、地方自治に今、何が求められているのか、須賀川市が、持続的に発展していくためには今、何が必要なのか。そして、私たちの生活や仕組みの何を変え、何を守らなければならないのかを考えて参りました。
そこで、今後4年間、市長としての責務を担うにあたり、「意識・価値観の共有」「ネットワークの活用」「スピード感を持った行政経営」そして「循環の理念」の4つを市政執行の基本理念として、厳正公平を旨としながら、活力あるまちづくりを進めて参りたいと考えております。以下、この4つの基本理念について申し上げます。
◆意識・価値観の共有について 初めに、「意識・価値観の共有」についてでありますが、市民の皆様と共に、新しい時代を切り開き、安全で安心して生活できる地域社会を築いていくためには、先ず、市民の皆様と意識や価値観を共有していくことが最も大切だと考えております。 まちづくりを推進するにあたっては、ボランティア団体やNPOを含めた市民、事業所、行政が、互いに立場や能力、意欲を尊重し合い、それぞれの役割を果たしていくことが重要であり、三者が共に同じ価値観や方向性を持ち、同じ目標に向かっていくことで、更に大きな推進力が得られるものと考えております。
◆ネットワークの活用について
次に、「ネットワークの活用」についてでありますが、須賀川市は、先人が育み、紡いできた長い歴史と、伝統に培われたすばらしい市民性と地域力をもっております。これらは須賀川市のかけがえのない財産であり、資源でもあります。また、8万市民という、人口規模のメリットを最大限に発揮していくことが、今こそ求められており、市民の心を一つに力を結集して立ち向かう必要があります。そのため、人、地域、組織などのあらゆるネットワークを活用して、市民の皆様の情報や英知を市政に取り込み、活力あるまちづくりを進めて参りたいと思います。 ◆スピード感を持った行政経営について 次に、「スピード感を持った行政経営」についてでありますが、地方分権の進展により、自己決定、自己責任の原則に基づき、主体的かつ迅速な意思決定が自治体に求められ、その力量が問われてきております。 そのため私は、「行政運営」から「行政経営」へと意識を転換し、民間の優れた感覚や手法を積極的に取り入れ、市民の視点に立ち、成果を重視した行政経営を実践して参る考えであります。 また、限られた財源と人員の中、質の高い行政サービスの提供を維持していくためには、行政の責任と共に市民の皆様に市政に参加いただくことが重要であります。
「受次ぎて 国の司(つかさ)の身となれば 忘るまじきは民の父母」 これは、弱冠十七歳で米沢藩主となった上杉鷹山公が、窮乏する藩財政事情の中、藩主としての仕事は、慈愛を持って父母が子を想うがごとく、領民のために尽くすという、強い決意を込め、詠まれた歌であります。 「民の父母」として尽くす使命とは、決して民衆に迎合することなく、領民に対し、希望を与え続け、自ら努力する「自助」と、近隣社会が互いに助け合う「共助」、藩政府が手を貸す「公助」の「三助」を基本に、自治を行うべしとして、藩政改革を成功に導きました。
この偉大な先人に思いを馳せながら、私は市民の代表として、市民の皆様とともに市政を経営して参りますが、行政にすべてを任せるのではなく、市民の皆様にも、「自助」「共助」「公助」の観点から、主体的に役割を担っていただき、真の「自治」を実現して参りたいと考えております。 一方、行政においても、市民の皆様の危機感や痛みを共有し、施策や事業を立案していくことはもとより、そこから得られた結果を評価し、常に改革改善を図っていく「成果重視」の経営視点を職員の意識改革に繋げて参りたいと思います。 さらに、事業執行に当たっては、広域的視野と横断的視点を徹底しながら、緊急性や事業効果など、十分な議論を尽くし、施策や事業相互の有機的連動と迅速な判断及び意思決定により、事業の更なる効率的展開を図って参る考えであります。
◆循環の理念について 最後に、「循環の理念」についてでありますが、すべてのことは循環により成り立っており、生きとし生けるものすべてが営々として生活できるのは、地球や自然界の循環が機能しているからであります。したがって、私たちの生活環境や地域経済についても地域内循環を基本とすることが、理にかなった考え方であると思っております。 経済の地域内循環は、地場産業の振興や地産地消の推進において、大きな意義をもっており、須賀川市が持続的に発展していくうえで必要不可欠であります。また、市民の皆様に対し、循環意識を高めていただく方策を積極的に講じ、その高まりによって、好循環が繰り返され、様々な波及効果が期待されると考えております。
以上が市政を執行するにあたりましての基本理念でありますが、私は、この度の市長選挙におきまして、10項目にわたる重点政策を掲げ、市民の皆様とともに、新しいまちづくりへの挑戦を始めることを約束し、市民の皆様の審判をいただきました。 これら10項目については、生活、産業、医療、福祉、教育、文化、環境、行財政改革など、市政全般にわたることから、財政状況を踏まえ、知恵を絞り、創意工夫を重ね、すぐに取り組むべき課題、任期内に道筋をつけていくものなど、計画的に施策展開を図りながら、市民の皆様と共に協働の自治を目指して参りたいと考えております。 さらに、すでに執行されている今年度予算につきましては、先の3月定例会において、議員各位の真剣な議論を経て可決いただいていることを踏まえ、その議決を尊重することはもとより、事業の停滞は一刻も許されないことから、効率的かつ計画的に執行して参る考えであります。
人事案件 (略) 以上、市政運営の基本方針及び提案理由の一部をご説明申し上げましたが、今期定例会には、単行議案12件、予算議案5件、報告4件の合わせて21件を提案しております。 議案第85号以降の提出議案に係る提案理由につきましては、副市長からご説明申し上げますが、この機会に今後、緊急に対応して参ります課題について申し上げます。
◆福島空港について 先ず、市政喫緊の課題である福島空港についてであります。 去る7月4日に、株式会社日本航空インターナショナルから、県に対して、大阪路線及び沖縄路線の来年2月1日からの運航休止、福島支店等の閉鎖について申し入れがありました。 両路線は、福島空港の総利用者数の約4割を占めており、福島空港の存続はもとより、空港周辺市町村のまちづくりに対しても、その影響は非常に大きく、極めて深刻な事態だと捉えております。 そのため、県、空港周辺市町村、関係団体などが一丸となって、撤退の撤回を日本航空本社に申し入れするとともに、福島県全域を対象とした署名活動を展開して参りましたが、誠に残念ながら、両路線の休止届が国土交通省に提出されたところであります。
その後の本市の対応として、一昨日、福島空港の周辺市町村で構成する福島空港国際空港化促進協議会などが中心となり取り組んだ約12万3千人分の署名を、お寄せいただいた福島空港に対する熱い想いとともに、日本航空本社に届け、路線存続について重ねて要望してきたところであります。 また、今後の福島空港の展望を開くためには、日本航空への対応はもとより、他の航空会社を含む新たな活動も必要であると認識いたしておりますので、現在、県との情報の共有化を早急に図るとともに関係団体との一層の連携強化を図るため、広域的な枠組みの中で、福島空港の利活用促進と戦略的な今後の活動展開に向け、県及び近隣市町村と協議を進めております。
◆入札制度改革について 次に、入札制度改革についてでありますが、地方経済の低迷の一つの要因ともいえる建設関連産業の現状を踏まえ、建設業を地場産業としてしっかりと認識した上で、雇用、災害時の対応等の地域貢献を入札制度の中で適切に評価することにより、公平性と透明性を確保しながら、より質の高い公共施設を整備するための入札制度改革に着手することといたしました。 そのため、すでに設置されている「公共事業に係る入札等検討委員会」に対し、早急な検討を指示し、年内に結論を出す考えであります。 さらに、その結論を待たずに対応できる見直しにつきましては、随時、適確に対処していくことといたします。
◆小学6年生までの医療費の無料化について 次に、私は、小学6年生までの医療費の無料化を重点政策としておりますが、その実行に当たっての財源を行政改革により確保していく旨の公約をして参りました。当然のことながら、財源の見通しを確保した上で実施していく考えでありますが、その前提として、先ず、現在、問題となっている、時間外や休日にコンビニ感覚で安易に救急外来を受診する、いわゆるコンビニ受診等の医療現場の混乱に対応することが重要だと考えております。 特に、医師や看護師の過重な負担を軽減し、本来の救急医療の目的を果たすため、市民の皆様に適切な状況判断の協力を求め、安定的な医療サービスの提供を実現していくことが必要であります。 そこで、早急にコンビニ受診等による夜間及び救急の医療現場の混乱を回避するための市民意識の醸成と医療体制の整備を図るための検討を始めることといたしました。 その一つとして、市民、医療関係者、市及び消防を含む行政による検討組織を今月中に立ち上げ、安定した地域医療の確保と施策実施の環境整備に取り組む考えであります。
最後に、私は、「意識」の重要性を訴えて参りましたが、行財政改革を実施するための行政の意識改革と共に市民の皆様の意識醸成にも特に力を注いで参りたいと思っております。 就任以来、相次いで火災が発生し、大雨による河川水位の上昇も発生いたしました。さらには、交通死亡事故等の多発に対しても様々な立場から高いレベルでの危機管理が必要であると感じております。 特に火災に関しては、未然防止の可能な災害であり、防火意識の啓発のため、急きょ広報チラシを作成し、9月1日より嘱託員を介しての全戸回覧を実施いたしま した。また、須賀川市消防団の全面的ご協力のもと8月28日に開催されました防火対策緊急会議においてご了承いただき、消防団及び消防本部による夜間の防火広報を実施することといたしました。 さらに、いざと言う時、火災から人命を守るために有効な住宅火災警報器の設置促進にも力を注ぎ、危機管理について、様々な機会を通し、市民の皆様に呼びかけて参る考えであります。
以上、今定例会の施政方針並びに提案理由及び緊急課題への対応についての説明を終わらせていただきます。 どうぞ慎重にご審議のうえ、速やかなるご議決を賜りますよう、お願い申し上げます。ありがとうございました。 平成20年9月4日 須賀川市長 橋本 克也 |